6月21日

午前 近畿大学 薬用植物園を見学

朝からあいにくの雨ですが、今日は楽しみにしていた

近畿大学の薬用植物園の見学です。

 

   薬用植物園 技術員 川村展之講師

この薬用植物園は約1,800㎡の園地に約420種類の薬用植物が栽培されています。

園の役割は学生に医薬品の原料となる生きた植物を見てもらうことや地域の人々に薬用植物を知ってもらう事を目的に設置されています。

薬草の需要は近年ますます高まっていますが、日本国内で使用される生薬の国内生産量はまだ10%くらいで、中国産が大部分を占めているそうです。傘をさしながらでの見学でしたが、めずらしい薬草や東大阪市ゆかりの原始ハスも見て、みな満足の見学会でした。

園内にある薬草の一部を紹介しましょう。

写真は秋の七草としてお馴染みの「オミナエシ」です。

北海道から沖縄まで広く全国に自生している植物ですが、薬草の仲間です。

その根には消炎、利尿、排膿の効能があります。

根を乾燥させて使用しますが、かなりの匂いがするそうで、「敗醤」という生薬名が付けられています。

 

この植物は「セイヨウ オトギリソウ」という植物です。古くから精神状態を安定させる薬として知られており、ヨーロッパでは抗うつ薬として処方されています。このほか消炎、去たん、鎮痛の効能があります。

国内では医薬品としては承認されていません。

 

帝国キネマ跡と樟徳館

長瀬駅から長瀬川沿いに進むと東洋のハリウッドと呼ばれた「帝国キネマ長瀬撮影所」跡があります。

帝国キネマは1928年(昭和3年)に開所し、総天然色の映画として人気を博しましたが、わずか2年で火災で焼失してしまいました。その後、映画の撮影は京都・太秦映画村へと移っていきました。

今は周辺は住宅地と変貌していますが、長瀬川に架る橋に「帝キネ橋」の名が付けられています。

また、敷地の一部に樟蔭学園の樟徳館が建てられています。

 


午後 漢方入門

後からは会場を近江堂リージョンセンターに移動して漢方薬を使った病気の治療について学びました。

 

  講師  医学博士 織田眞智子先生

東洋医学は約1,500年前に中国から伝わった医学を元に、日本人の体や風土に合わせて独自に発展した伝統医学で、身体全体を見て、その人の体質にあわせて漢方薬を投与することで、不快な症状を改善する医学です。

一方、西洋医学(現代医学)は分析機器や血液検査などから身体の異常部位をピンポイントで探し出して病名を特定し、それに対して投薬・治療を行う医学です。

西洋医学が得意とする病気もありますが、漢方が有効な病気もあります。

例えば、体質に起因した喘息・高血圧や諸種不定愁訴と呼ばれる更年期障害や冷え性などが漢方が有効な病気の例です。

現代の病気は次の3つに分けられると思います。

   ① 病院・医者にかかって治る病気 2割

   ② 病院・医者にかかっても治らない病気

   ➂ 病院・医者にかかると(薬の副作用などで)さらに悪くなる病気

          ②+➂が8割になります。

  どの道を選ぶかはあなた次第。選択を間違えるといろいろな障害が出てきます。

 

民間薬について

民間薬というのは、日本人が日本の土壌で暮らすなかで、身近な薬草を取り入れて体の不調を改善しようと試みて効果があったものを継承してきました。

ドクダミ茶・クコチャ・琵琶葉・ゲンノショウコ・センブリ・よもぎ・おおばこなどが民間薬として一般家庭で使われてきました。単品で使うことが多いので、日常生活で使いやすいという利点があります。

なにより、材料が身の回りにある薬草なので手に入れるのが容易です。民間薬の活用も考えてゆきましょう。